おれは直角/小山ゆう
- 副塾長
- 4月7日
- 読了時間: 3分
【概要】
家柄の正しい上士の子どもばかりが通う名門校・萩明倫館に、下級武士の子でありながら通うことになった主人公の石垣直角は、自分の信じる武士道を突き進み、周囲の人々を巻き込んで大暴れ。 当初は戸惑っていた同級生たちや大人たちも、そんな直角に影響されて、次第に変わってゆくのだった。
ブルーハーツの「青空」の歌詞の一節に
生まれたところや 皮膚や目の色で
いったいこの僕の何が分かるというのだろう
とあるのですが、
そんなブルーハーツの真っ直ぐな世界観と共通点の多い作品です。
とにかく曲がったことが許せない直角は
身分の上の人たちに対しても仁義礼を貫きぶつかっていく。
曲がったことを武士道にかけて許さないことを信条にしているので
木刀でも曲線の軌道になることを許さず直角に操る。

圧巻は最終巻です。
「恵まれた人が逆の環境の人のことを心底から理解することの難しさ」
がテーマになっています。
恵まれた人が心の底からその人に寄り添いたい、と思っても
真に理解することができないとき、どうするのか。。。
自己卑下や道化を演じる親友に
「いじけていても駄目なんだよ」
と直接伝えることの残酷さを主人公の直角は知っていて(なんてやさしい、、、)
ただ、願うのみ。
ただ願うのみ、ではあるけど、心の底から祈っている。
その目に見えない心がほとばしって周囲に影響を及ぼし
想いだけがやさしい形で本人に届く。。。
泣けます。

子どもだけでなく大人もですが
けっこうふてくされて腐ってしまう事がよくあります(耳が痛い。。。)
辛い時こそ人としてどうあるべきか
辛い時こそその人の真価が問われます
そんなことを教えてくれた漫画です。
マザー・テレサの言葉が思い出されます。
『あなたの中の最良のものを』
人は不合理、非論理、利己的です
気にすることなく、人を愛しなさい
あなたが善を行うと、利己的な目的でそれをしたと言われるでしょう
気にすることなく、善を行いなさい
目的を達しようとするとき、邪魔立てする人に出会うでしょう
気にすることなく、やり遂げなさい
善い行いをしても、おそらく次の日には忘れられるでしょう
気にすることなく、し続けなさい
あなたの正直さと誠実さとが、あなたを傷つけるでしょう
気にすることなく、正直で誠実であり続けなさい
あなたが作り上げたものが、壊されるでしょう
気にすることなく、作り続けなさい
助けた相手から、恩知らずの仕打ちを受けるでしょう
気にすることなく、助け続けなさい
あなたの中の最良のものを、この世界に与えなさい
たとえそれが十分でなくても
気にすることなく、最良のものをこの世界に与え続けなさい
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